この記事では海外FXのおすすめ法人口座を紹介。
また、法人口座と個人口座の違い、メリット&デメリット、開設方法、開設タイミングなどもお伝えしています。
海外FXの法人口座を開設するなら、「Exness」・「FXGT」・「AXIORY」の3社がおすすめです。
これら3社は法人口座を提供しており、なおかつ会社として信頼でき、サービス面も優れています。
詳しくは記事内で解説しているため、そちらを確認して、自分にぴったりな法人口座選びの役に立ててください。
- .経費として計上できる範囲(項目)が増える
- 役員報酬の調整で税金対策ができる
- 他事業と損失繰越ができる
- 10年間の損失繰越ができる
口座開設ボーナス | 最大レバレッジ | スプレッド (米ドル/円) | 金融ライセンス | 取引ツール | 公式HP | |
---|---|---|---|---|---|---|
Exness | なし | 無制限 | ドル円1.1pip | セイシェル共和国金融庁 (FSA) | MT4/MT5 | https://www.exness.com/ |
FXGT | あり | 1,000倍 | ドル円1.5pips | セーシェル金融庁 (FSA) | MT4/MT5 | https://fxgt.com/ |
AXIORY | なし | 400倍 | ドル円1.5pips | ベリーズ国際金融サービス委員会 (FSC ) | MT4/MT5 | https://www.axiory.com/ |
海外の法人口座(法人化)とは?
海外の法人口座は法人のみが開設できる口座となります。
法人とは、株式投資や合同会社となり、個人事業主やフリーランスは対象外です。
個人トレーダーが利用する個人口座とは異なり、法人口座は法人格を持つ組織が取引を行う口座であるため、会社名でないと開設できません。
法人口座を開設するおもなメリットは、適用される「税制」や「税率」です。
個人口座の税金は所得税と住民税であり、所得額によって税金が増える「累進課税」が適用されます。
それに対して、法人口座は「法人税」が適用され、税率がある程度固定化されていて所得額によっては個人口座よりも税金を抑えられるケースがあるのです。
そのため、海外FXで大きく稼いでいるトレーダーの中には、節税対策として法人口座に切り替える人もいます。
なお、取引条件は法人口座・個人口座ともに同じです。
レバレッジやスプレッド、取引ツール、ボーナスといったそのFX業者が提供するサービスは法人口座・個人口座ともに共通となります。
法人口座だからといって優遇や不利益はありません。
法人口座の注意点として、企業の法人登記や必要な書類の提出が多くなる部分です。
また、法人化のコストもそれなりにかかり、それは毎年発生します。
発生するコストによっては個人口座のほうが税金が抑えられるケースもあるため、そうした部分も考えながら法人口座を開設しないといけません。
まとめると、法人口座は法人口座は法人化している会社のみが開設できる口座です。
法人口座を利用する最大のメリットは税金面であるため、海外FXの利益が大きくなってきたときに開設を検討したいです。
一般的には「利益額が年間1,000万円以上超えてから」とされているため、そこを分岐点に検討してみてください。
海外FXの法人口座おすすめ5選【2024年版】
海外FXで法人口座を作るのにおすすめの業者を5社ピックアップしてみました。
紹介中の5社は法人口座が開設可能であり、なおかつサービスも優れているため、口座選びの参考にしてみてください。
口座開設ボーナス | 最大レバレッジ | スプレッド(米ドル/円) | 金融ライセンス | 取引ツール | 公式HP | |
---|---|---|---|---|---|---|
AXIORY | なし | 400倍 | ドル円1.5pips | ベリーズ国際金融サービス委員会 (FSC ) | MT4/MT5/cTrader | https://www.axiory.com/jp/ |
FXGT | あり | 1,000倍 | ドル円1.5pips | セーシェル金融庁 (FSA) | MT4/MT5 | https://fxgt.com/ja |
Exness | なし | 無制限 | ドル円1.1pip | セイシェル共和国金融庁 (FSA) | MT4/MT5 | https://www.exness.com/ |
HFM | あり | 1,000倍 | ドル円2.2pips | セントビンセント&グレナーディン | MT4/MT5 | https://www.hfm.com/sv/jp/ |
TradersTrust | あり | 3,000倍 | ドル円1.2pips | – | MT4 | https://traders-trust.com/ |
Exness
- 無制限のレバレッジ
- グループ会社が最高難易度の金融ライセンスを保有
- コピートレードは負けたら手数料無料
Exnessは無制限(実際は21億倍)のレバレッジが最大の魅力のFX業者です。
レバレッジに上限がないため、他社よりも少ない金額で大きなポジションを保有できるメリットがあります。
FXでは取引する際に「必要証拠金(業者に預ける担保金)」が入りますが、必要証拠金はその業者のレバレッジによって変動します。
次のようにレバレッジが高い業者ほど、必要証拠金は少なく済むのです。(米ドル/円=150円・10万通貨で計算)
レバレッジ | 必要証拠金 |
---|---|
100倍 | 15万円 |
500倍 | 3万円 |
1,000倍 | 1万5,000円 |
5,000倍 | 3,000円 |
21億倍 | 1円 |
上記のようにレバレッジが高いと必要証拠金を大きく抑えられますし、少ない資金で大きなリターンを狙うのにも役立ちます。
Exnessはグループ会社が最高難易度の金融ライセンスを保有しているのもメリットです。
海外FX業者を利用するときは信頼性が重要ですが、Exnessグループは「FCA」と「CySEC」の2つの最高難易度の金融ライセンスを保有しているため、安心して利用できます。
Exnessの「ソーシャルトレード(コピートレード)」は、負けたときの手数料が無料です。
コピートレードとは、トレーダーを選んでその人とおなじトレードで運用するというものになります。
これには手数料が発生しますが、Exnessのコピートレードは負けたときの手数料は無料です。
このため、手数料負けを防止しやすくなっています。
コピートレードは優秀なトレーダーの手法を盗むのにも最適なため、自分の手法が確率されてない人が参考にするのもおすすめです。
そんなExnessの法人口座の開設は少々ハードルが高くなっています。
法人口座の開設には個人口座(一般口座)を開設したあと、次の条件を満たさないといけません。
- 個人口座での取引実績が3ヶ月以上
- Exnessプレミアの会員ランクがシグネチャー以上
取引実績については継続利用していれば自然とクリアできますが、会員ランクをシグネチャー以上にするには次の条件をクリアしないといけません。
- トータルの入金額を10万ドル以上にする
- 四半期毎の取引量を2億ドル以上にする
上記の条件を満たしたら、Exnessのサポートに連絡してください。
その後、Exness側から必要証拠金の提出の指示があります。
Exnessの場合、必要証拠金も他社より多くなる傾向があり、書類は英文に翻訳が必要です。
また、外務省が発行する「アポスティーユ(日本の公文書を外国でも認めてもらうための手続き)」も一緒に提出しなくてはいけません。
通常、アポスティーユの数千円〜数万円の手続きに手数料が発生します。
このように、Exnessの法人口座はかなり複雑なため、Exnessのサポートとよく相談しながら行ってください。
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公式サイト:https://www.exness.com/accounts
FXGT
- 豪華なボーナス
- ボーナスを何度も利用しやすい
- 仮想通貨CFDに独自性がある
FXGTは豪華なボーナスが魅力のFX業者です。
2023年11月時点だと次の3つのボーナスを提供しています。
- 15,000円新規登録ボーナス
- 100%Welcomeボーナス
- 50%Unlimited Loyaltyボーナス
15,000円新規登録ボーナスはFXGTの新規口座開設する人が対象となるキャンペーンであり、口座開設するだけで15,000円のボーナスが付与されます。
100%Welcomeボーナスは、8万円を上限に入金額の100%のボーナスを付与してくれるキャンペーンです。
50%Unlimited Loyaltyボーナスは100%Welcomeボーナスを使い切ったあとに使用できるものであり、上限120万円まで入金額に対して25%〜50%のボーナスを付与してくれます。
入金額 | ボーナス付与率 |
---|---|
39万9,999円未満 | 25% (最大120万円) |
40万円以上79万9,999円未満 | 35% (最大120万円) |
80万円以上 | 50% (最大120万円) |
このようにFXGTはボーナスが豊富であるため、ボーナスを活用して口座資金を増やしやすいのがメリットです。
さらにFXGTには「Loyaltyリセットボーナス」があるのも注目です。
Loyaltyリセットボーナスは条件を満たせばボーナスの上限額がリセットされるサービスであるため、これを利用すれば何度でもボーナスを利用できます。
FXGTは仮想通貨CDFも特徴的。
「シンセティックペア(ビットコインと貴金属・原油、株価指数などで構成した銘柄」と「GTi12指数(FXGTが独自に決めた12種類の仮想通貨の値動きをもとにした指数)」などと、他社にはないユニークな銘柄が取引可能です。
そんなFXGTで法人口座を開設するには、まず個人口座(一般口座)の開設が必要です。
個人口座を開設したのちにサポートへ連絡して、法人口座を開設する形になります。
よって、まずは個人口座の開設を済ませてください。
そのあとに次の書類を用意して、FXGTのサポートに連絡して法人口座を開設しましょう。
- 登記簿謄本
- 代表取締役の本人確認書類
- 代表取締役の現住所確認書類
- 取締役登録書
- 株主名簿
\ 新規口座開設で15,000円GET /
公式サイト:https://fxgt.com/register
AXIORY
- cTraderが使える
- 約定率が99.99%と高い
- 信託保全を採用している
AXIORYは取引プラットフォームに「cTrader」が使えるメリットがあります。
cTraderは短期トレードに特化した取引プラットフォームであり、非常に約定スピードが早いため、スキャルピングをするトレーダーに最適です。
約定スピードだけでなく、標準・価格・VWAPの3つの板情報(DoM)を確認できるなどの機能があり、機能面も短期トレード向けに最適化されています。
cTraderはまだまだ使える業者が少ないため、これが使用できるAXIORYはメリットが大きいです。
約定率が99.99%と高いのにも注目。
高い約定力を活かしてスリッページを防止できます。
スキャルピングのような短期トレードでは、スリッページは致命的になるため、なんとしても防止したいです。
AXIORYは海外FX業者としては珍しく信託保全を採用しています。
トレーダーから預かった資産は自社の資産と分けて外部機関に預けているため、AXIORYが倒産してしまった場合でもきちんと資産は返金されるのです。
お金が返ってこない可能性がある分別管理よりも安心できるでしょう。
AXIORYで法人口座を開設するときは口座開設フォームの契約区分を「法人口座」にし、あとは画面の指示に従って以下のように手続きしていくだけになります。
- 申込フォームの入力
- 必要書類の提出
- メールにてログイン情報の受取
- ログイン情報でログインして口座開設完了
必要書類は次のとおりです。
代表者書類 | 本人確認書類+現住所確認書類 |
法人確認書類 | 登記簿謄本・株主名簿・会社住所確認書類・取締役決定書 |
必要書類は、AXIORYの公式サイトでも確認できるためチェックしておいてください。
\ 最大15万円分の入金ボーナスGET /
公式サイト:https://www.axiory.com/jp/
HFM(HotForex)
- 分析ツールが充実
- 2,000倍のレバレッジ
- 企業として信頼性が高い
HFM(HotForex)は分析ツールが充実しているのが魅力のFX業者です。
たとえば、「センチメントトレーダー」では、商品の現在のロングまたはショートのセンチメントを確認できます。
このため、現在の相場を買い目線と売り目線、どちらに判断しているトレーダーが多いのかを確認可能です。
よって、今後の相場動向を予測する材料にできます。
相関トレーダーでは、選択した2市場の過去の相関関係を詳しく分析可能です。
「米ドル/円の動きに対してユーロ/ドルの動きがどうなっているか知りたい」このようなときに役立ちます。
その他にも役立つ分析ツールがたくさんあるため、それらを活用すれば相場分析や取引に
役立てられるでしょう。
HFM(HotForex)はレバレッジが2,000倍と高いのもメリットです。
すべての口座タイプで2,000倍のレバレッジが適用されるため、必要証拠金を抑えて取引ができます。(以下は10万通貨で計算)
通貨ペア | 必要証拠金 |
---|---|
米ドル/円(150円) | 7,500円 |
ユーロ/円(162円) | 8,100円 |
ボンド/円(185円) | 9,250円 |
HFM(HotForex)は企業としても信頼性が高いです。
グループ全体で8つの金融ライセンスを保有し、その中には取得難易度が高いFCAとCySECも含まれます。
- イギリス金融行動庁(FCA)
- キプロス証券取引委員会(CySEC)
- セントビンセント・グレナディーン金融庁(FSA)
- ドバイ金融サービス機構(DFSA)
- モーリシャス共和国金融サービス委員会(FSC)
- 南アフリカ共和国金融業界行為監督機構(FSCA)
- セーシェル金融庁(FSA)
- CapitalMarkets Authority(CMA)
また、国際的な賞を数々授与しているのも注目です。
引用元:hfm.com
- 公式サイトの「ライブ口座開設」を選択
- 申込フォームの「法人」を選択して必要事項を記入
- メールが届いたら法人口座の有効化をする
- 必要書類の提出
- 口座承認メールが来たら口座開設完了
必要書類は次のとおりです。
代表者書類 | 本人確認書類+現住所確認書類 |
法人確認書類 | 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)株主名簿代理人委任状定款登録株主および役員全員の身分証明書と住所証明書 |
ThreeTrader
- スプレッドが海外業者としては非常に狭い
- ECN口座の取引手数料が安い
- 入出金の手数料無料
ThreeTraderは狭いスプレッドが魅力のFX業者です。
通貨ぺア | Pureスプレッド口座 | Rawゼロ口座 |
---|---|---|
米ドル/円 | 0.5pps | 0.0pips |
ユーロ/米ドル | 0.5pps | 0.0pips |
ユーロ/円 | 0.7pps | 0.5pips |
ポンド/円 | 1.1pps | 0.5pips |
上記のとおり、海外業者としてはかなりスプレッドが狭くなっています。
さらにPureスプレッド口座は取引手数料も無料であるため、短期トレードをするときの取引コストを抑えやすいのがメリットです。
ThreeTraderは、ECN口座である「Rawゼロ口座」の取引手数料が安くなっているのも注目。
取引手数料は1ロット(10万通貨)あたり往復4ドル(400円相当)です。
ECN口座とは他の口座タイプよりもスプレッドが狭く設定された口座タイプのことですが、ECN口座は基本的に取引手数料が発生します。
Rawゼロ口座の取引手数料を他社のECN口座と比較した場合、かなり安いです。
海外FX業者名 | 取引手数料(1ロットあたり) |
---|---|
ThreeTrader (Rawゼロ口座) | 4ドル |
AXIORY (ナノ・テラ口座) | 6ドル |
FXGT (ECN口座) | 6ドル |
Exness (ロースプレッド口座) | 7ドル |
BigBoss( プロスプレッド口座) | 9ドル |
XMTrading (ゼロ口座) | 10ドル |
取引手数料は取引コストとなり、何度も支払っていると利益を減らす原因となるため、安いほどよいです。
ThreeTraderのRawゼロ口座なら、スプレッドが低いのに加えて取引手数料も安いため、取引コストを他社よりも抑えられます。
ThreeTraderは入出金の手数料が無料なのもメリットです。
海外FX業者の場合、入出金の手続きに手数料がかかるケースがあり、数千円をとられてしまうケースも珍しくありません。
しかしThreeTraderなら無料で行えます。
- 個人口座(一般口座)を開設する
- サポートデスクに法人口座の開設をしたいと連絡する
- 必要書類を提出する
上記のとおりであるため、まずは個人口座を開設する必要があります。
その後、サポートデスクに連絡して、法人口座の開設をしたい旨を伝え、必要書類を提出します。
- 登記簿謄本
- 役員全員の身分証明書
- 役員全員の住所証明
- 身分証明書とセルフィ―(自撮り画像)
- 法人の銀行明細
- 株主名簿
海外FXの法人口座と個人口座の違いを解説
海外FXの法人口座と個人口座では次のような違いがあります。
法人口座 | 個人口座 | |
---|---|---|
税率 | 法人税:15%~23.4% 法人住民税:1.0%〜20.7% 法人事業税:3.5%〜7% | 所得税:5%〜45% 住民税:10% |
経費の範囲 | 多い | 少ない |
損益通算 | できる | できない |
損失繰越 | 10年まで | できない |
手続き | やや複雑 | 簡単 |
コスト | 法人設立費や税理士費用などが発生 | なし |
- 税金・税率の種類の違い
- 経費の範囲と損益通算・損失繰越の違い
- 手続き・コストの違い
税金・税率の種類の違い
法人口座と個人口座の最も大きな違いは税金です。
法人口座では法人税が課され22.40%〜36.80%となります。一方、個人口座の税率は15%〜55%です。
まず個人口座の税金から説明します。
個人口座の場合、次のように所得金額によって税率が決まるのです。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
1,000円 ~1,949,000円まで | 5% |
1,950,000円 ~3,299,000円まで | 10% |
3,300,000円 ~6,949,000円まで | 20% |
6,950,000円 ~8,999,000円まで | 23% |
9,000,000円 ~17,999,000円まで | 33% |
18,000,000円 ~39,999,000円まで | 40% |
40,000,000円 以上 | 45% |
上記に住民税の10%をプラスするため、税率が20%であれば「20%+ 10%=30%」となり、実際の税率は30%です。
よって、個人口座では所得税と住民税あわせて、15%〜55%の範囲で税率となります。
これに対して、法人口座の税率を細かくすると次のとおりです。
課税所得金額の区分 | 400 万円以下 | 400 万円超 800 万円以下 | 800 万円超 |
---|---|---|---|
法人税 | 15.00% | 15.00% | 23.20% |
地方法人税 | 1.55% | 1.55% | 2.39% |
法人住民税都道府県民税 | 0.15% | 0.15% | 0.23% |
法人住民税区市町村民税 | 0.90% | 0.90% | 1.39% |
事業税 | 3.50% | 5.30% | 7.00% |
特別法人事業税 | 1.30% | 1.96% | 2.59% |
総合税率 | 22.40% | 24.86% | 36.80% |
法人税は所得によって15.0%〜23.20%の範囲で決定され、その他の法人住民税や事業税などが加わり、最終的に22.40%〜36.80%の範囲になります。
このように、法人口座と個人口座では税金のかかり方や、適用税率が異なると知っておきましょう。
経費の範囲と損益通算・損失繰越の違い
法人口座では取引に関連する様々な経費を計上できるようになります。
個人口座でも経費として計上できるものはありますが、書籍代やパソコン代などであり、法人ほど大きな節税対策にはなりません。
それに対して法人口座の場合、家賃、光熱費、役員報酬、交通費、生命保険料、退職金なども経費計上することができます。
役員報酬、生命保険料、退職金といったものは高額になりやすいため、経費として計上すれば、大きな節税対策になるでしょう。
また、法人口座では損益通算が可能であり、FXで利益が出た場合でも他事業で損失があれば、その損失額を差し引いた金額の決算内容で申告できます。
損失繰越も10年間まで可能です。
損失繰越は赤字になった際、その損失を翌年以降の税金申告時に差し引けます。
よって、大きな赤字なって損失繰越をし、翌年に大きく黒字になったなら、かなりの節税対策を見込めるのです。
このように、法人口座では損益通算と損失繰越ができますが、海外FXの個人口座ではできません。
手続き・コストの違い
法人口座の開設手続きは個人口座に比べて複雑であり、企業の法的な書類や証明書が必要です。
そのため、開設には時間と労力がかかります。
さらに年に1回の決算申告もかなり面倒です。
一方、個人口座の開設は法人口座と比べると簡単であり、本人確認書類と住所確認書類の2点が基本です。
当然、個人であるため決算申告は必要ないです。
法人口座はコストもかかります。
法人設立時の費用は25万円程度です。
日々の会計業務・経理業務も管理を税理士に任せる場合は、月間1〜2万円の費用が発生します。
対して、個人口座の人はとくにコストとなるものはありません。
海外FXの法人口座(法人化)の4つのメリット
海外FXの法人口座を開設するメリットは主に次の4つです。
- 経費として計上できる範囲(項目)が増える
- 役員報酬の調整で税金対策ができる
- 他事業と損失繰越ができる
- 10年間の損失繰越ができる
メリット1.経費として計上できる範囲(項目)が増える
法人化すると経費として計上できる範囲が拡大します。
法人としての取引には様々な費用が発生するかと思いますが、法人口座であればそれらが経費として計上できる可能性があるのです。
たとえば、次のようなものを経費として計上できます。
- 役員報酬
- 従業員の給与
- 家賃や光熱費
- 保険料
これらは高額になることも多く、経費として計上できれば大きな節税対策になりやすいです。
そのため、効果的な節税が期待でき、事業の収支を柔軟に調整するのに役立つでしょう。
メリット2.役員報酬の調整で税金対策ができる
法人化すると役員報酬で税金のコントロールができます。
役員報酬は企業の収益から支払われるため、収益の一部を報酬として支払うことで法人税の軽減ができるからです。
報酬の適正な調整により、法人税のベストな範囲で課税を受け、余計な税金を回避できます。
たとえば、企業が好調な年には役員報酬を増額して税金を軽減し、収益の最大化が可能です。
逆に業績の苦しい年には役員報酬を抑え、余分な税金の負担を軽減ができます。
このように、法人口座にすれば役員報酬調整で税金対策が可能です。
メリット3.他事業と損失繰越ができる
法人化した企業はFX収入を他の事業と損失繰越ができ、特定の事業で発生した損失を会社の収益として計上可能です。
これにより、一部の事業が損失を出した場合でも、他の利益を相殺して全体としての収益を最適化できます。
たとえば、FXで大きな利益を出した年はその分だけ税金も多く取られるのが欠点です。
そこでFXの利益を他の事業と損繰越して、税金を抑える方法を使います。
仮にFXの利益が1,000万円で他の事業で300万円の赤字があるなら、
1,000万円-300万円=700万円
となり、決算では700万円と本来の1,000万円よりも300万円低く申告できるため、節税対策となるのです。
メリット4.10年間の損失繰越ができる
法人化すれば10年間の損失繰越が可能です。
FXで発生した損失を10年先まで持ち越せるため、未来の収益と相殺できるメリットがあります。
たとえば、今年に100万円の損失が発生したとしましょう。この100万を損失繰越をして翌年に持ち越します。
翌年も100万円の損失になってしまい、合計200万円の損失になりました。この200万円も損失繰越をします。
3年目に500万円の利益が上がりました。ここで損失繰越をしていた200万円を使います。
「500万円-200万円=300万円」となり、決算では300万円で計上できるのです。
計上金額が500万円→300万円となったため、支払う税金はその分だけ抑えられます。
このように過去からの損失を持ち越して、未来の利益から差し引けるのが損失繰越です。
このメリットを活かすことで、企業は将来の収益に対する課税負担を軽減できます。
期間も10年と非常に長いため、税金面での負担リスクを軽減するのに役立つのは間違いありません。
海外FXの法人口座(法人化)の4つのデメリット(注意点)
海外FXの法人口座には、次のようなデメリットもあるため確認しておきましょう。
- 法人設立や維持費にコストがかかる
- 利益が出ても自由に使えない
- 決算期時点で保有している損益を計上する必要がある
- 税務調査が入る可能性がある
デメリット1.法人設立や維持費にコストがかかる
法人化はコスト面が個人よりかかるのがデメリットです。
まず法人化しないといけませんが、これには様々な費用がかかります。20万円ほどはかかると思っておきましょう。
さらに法人化したあとも、法人の運営や維持には年間を通じて様々な費用がかかります。
たとえば、弁護士や会計士のサービスを利用するのが一般的です。これには月1〜2万円はかかります。
これに加えて、7万円程度の法人住民税を毎年納税しないといけません。
これらの費用は、個人口座を開設するよりも高額であり、場合によっては法人化したことで逆にお金がかかってしまうケースがあります。
総じて、法人設立や維持には様々なコストがかかります。
法人化の費用は法人が持続的かつ健全な経営を行うためには避けて通れないものであり、これらを正確に把握してから、法人化するか決定する必要があります。
デメリット2.利益が出ても自由に使えない
法人口座のお金は会社のものという扱いであるため、個人口座のように自由には引き出せません。
法人口座の場合、「役員報酬」という事前に決めた額のみ引き出しできます。
ただし、役員報酬の金額は一度設定してしまうと事業年度の途中では変更できないため気を付けてください。
先にもお伝えしたように、法人口座のお金は会社のものです。
会社のお金ですから、その目的は企業の安定的な運営や成長に使われることにあります。
将来の事業拡大やリスクへの備えを考慮して資金を運用するのが一番の目的なため、資金の使途を明確にする必要があるのです。
よって、個人口座のように自由に引き出しはできません。
このように、法人口座では自由にお金が引き出せないため、利益がでても使えないのが難点です。
お金が必要になったとしても即座に自由に使えないと理解した上で、法人口座の利用をしていく必要があります。
デメリット3.決算期時点で保有している損益を計上する必要がある
法人化すると、決算期時点で保有している損益を計上する必要がありますが、プラスであってもマイナスであっても法人住民税が発生してしまうのがデメリットです。
法人住民税は最低でも7万円程度はするため、利益がマイナスのときはけっこう痛いかと思います。
また、法人住民税は利益が1,000万円を超えると18万円にもなるため、それだけ支払っても節税できるのか計算してから法人化するようにしたいです。
数年単位で利益が安定していれば問題ないですが、まだ1年程度だとこの先が分からないため、少し様子を見るのがおすすめでしょうか。
デメリット4.税務調査が入る可能性がある
法人化した会社は、税務申告を行う義務があります。
税務申告をすると税務調査が入る可能性もあると知っておきましょう。
税務調査が入ると、企業の財務状況や取引履歴などを提供して対応しなければなりません。
調査に対応するための専門家や会計士を雇う必要があり、これには費用が発生します。
調査に不備がある場合は罰則が科される可能性もあり、罰金や追加の課税などの制裁を受ける可能性があるのがデメリットです。
正しく納税していたとしても、重箱の隅を突くような指摘を受けるケースも報告されています。
とくに海外FXを目的に法人化した場合、租税回避を目的とした法人設立であると疑われる可能性もあるため、慎重な税務管理をしないといけません。
海外FXで法人口座を開設するタイミングを解説
海外FXで法人口座を開設する際には、タイミングを見極める必要があります。
法人口座を開設しても逆に節税対策にならず、個人口座のままのほうが税金は安く済んだというケースがあるからです。
その分岐点となるのが「年間の利益が1,000万円超」とされています。
まず、法人口座は個人口座に対して次のように、所得額が900万円を超えると税率が優位になります。
個人口座 | 法人口座 |
---|---|
695万円以上900万円以下:23% | 800万円以下:15% |
900万円以上1,800万円以下:33% | 800万円超え:23.2% |
ただし、900万円を超えてすぐに法人化するのはおすすめできません。
法人化するにはある程度の費用がかかりますし、法人化を維持するためのコストも発生します。
たとえば、税理士の顧問料も発生するでしょうし、法人住民税は毎年必要になります。
ある程度の余裕を持って法人化しないと、「想定していない出費によって個人のほうがトータルの費用が安く済んだ・・・」となりやすいのです。
そのため、法人化するのは、利益が継続的に1,000万円超となっているのが条件と認識してください。
また、以下のように法人化以外にも節税対策はあるため、一度検討してみるのがおすすめです。
- 小規模企業共済を経費にする
- 家賃や車の一部を経費にする
- 家族に給料を払って経費にする
- iDeCoを経費にする
上記のような節税対策と比較して、法人化のほうがメリットがあるのであれば、法人口座の開設を検討してみてください。
海外FXの法人口座の開設手順を解説
海外FXの法人口座の開設の流れは次のとおりです。
- 登記簿登謄本・本人確認書類を準備する
- 法人口座を作れる海外FX業者を選ぶ
- 法人口座専用フォームで口座開設をする
- 口座登録完了のメールを確認する
- 手順1.登記簿登謄本・本人確認書類を準備する
最初に、登記簿登謄本・本人確認書類といった必要書類を準備しておくのがおすすめです。
法人口座の口座開設時にはいろいろと必要書類があるため、事前に準備しておけば口座開設がスムーズになります。
必要書類は各社によって異なりますが、主に次のようなものです。
・代表者の本人確認書類
・代表者の現住所確認書類
・法人の住所確認書類
・登記簿謄本
・役員証明書
・株主証明書
・最終受益者申告書
なお、登記簿謄本や住所証明書などは「発行から3ヶ月以内」の期限があるため、期限内の書類を用意してください。 - 手順2.法人口座を作れる海外FX業者を選ぶ
必要書類の準備が完了したら、続いて業者選びです。
信頼性、手数料、取引条件などを検討し、自分にあったものを選ぶのが重要になります。
業者の評判や口コミを確認するのもおすすめです。
その業者が提供しているサービスは法人でも個人でも変わりないため、そうした部分は気にせずに調査しても大丈夫です。 - 手順3.法人口座専用フォームで口座開設をする
口座開設する業者が決まったら、その業者の公式サイトから口座開設手続きを行います。
法人口座を開設するときは、法人口座開設のための専用フォームから行うのが基本です。
その後、専用フォームに必要事項を入力し、先に用意した登記簿登謄本や本人確認書類をアップロードします。
必要事項は間違えないようにしましょう。間違えてしまうと口座開設がスムーズにいかなくなるからです。 - 手順4.口座登録完了のメールを確認する
専用フォームでの手続きが完了すると、口座登録完了のメールが送信されてきます。
そのあとに口座開設完了のメールが送信されてくるため、内容を確認しておきましょう。
メールにはログインIDやパスワードなどの口座情報や、取引に関する重要な情報が含まれているため、確認が必須です。
メール内の指示に従い、アカウントにログインしましょう。
これにて法人口座の開設手続きは完了です。
早ければ申し込みから1日、遅くても3〜5日程度で口座開設できるかと思います。
海外FXの法人口座(法人化)に関するよくある質問Q&A
【まとめ】海外FXの法人口座・法人化に関する正しい知識を知り取引を始めよう!
海外FXの法人口座を上手く活用するには、法人口座の開設によってどのようなメリットが選られるのかを知っておく必要があります。
また、法人口座ならどの業者でもよいというわけではないため、FX業者として優れているところを選びたいです。
- 経費として計上できる範囲(項目)が増える
- 役員報酬の調整で税金対策ができる
- 他事業と損失繰越ができる
- 10年間の損失繰越ができる
口座開設ボーナス | 最大レバレッジ | スプレッド (米ドル/円) | 金融ライセンス | 取引ツール | 公式HP | |
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Exness | なし | 無制限 | ドル円1.1pip | セイシェル共和国金融庁 (FSA) | MT4/MT5 | https://www.exness.com/ |
FXGT | あり | 1,000倍 | ドル円1.5pips | セーシェル金融庁 (FSA) | MT4/MT5 | https://fxgt.com/ |
AXIORY | なし | 400倍 | ドル円1.5pips | ベリーズ国際金融サービス委員会 (FSC ) | MT4/MT5 | https://www.axiory.com/ |
法人口座の税率は22.40%〜36.80%であり、個人口座の15%〜55%よりも上限が低いため、所得によっては大幅な節税効果が期待できます。
開設を検討するのは、海外FXによる利益が1,000万円以上継続できる見込みがある場合です。
この場合、個人口座よりも税率が低くなり、税金を安くできる可能性があるため、法人口座の開設を検討してみてください。