「海外FXで得た利益に税金はかかる?」「海外FXにかかる税率は?」など疑問をお持ちのあなたへ。
- 海外FXで利益を出すと税金は発生する?
- 海外FXの利益に対して税金を支払う必要があるケース【確定申告の対象者】
- 海外FXで税金がかかるタイミング
- 海外FXと国内FXにかかる税金の違い
- 海外FXの税金を計算する方法
- 海外FXの税金を確定申告する際に必要な物と流れ
- 海外FXの税金対策に関する注意点
この記事では、「海外FXの税金を確定申告する方法」「税金の合法的な節税対策」などを海外FX通信編集部が分かりやすく解説します。
「海外FXで利益を出した場合、税金はどうなるのか」知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
結論からお伝えすると、海外FXで利益を出した場合税金は必ず発生します。
そのため、1円でも利益が出たら必ず税金が発生すると思っておきましょう。
- 確定申告書を記入する
- 国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスする
- 申告の種類・生年月日などを入力する
- 収入金額や所得金額を入力する
- 海外FXの利益や経費を入力する
- 所得控除を入力する
- 住民税などを入力する
- 確定申告書を提出する
- 納付方法を選ぶ
- 経費の計上
- 所得控除制度
- 法人口座の開設
- 他の雑所得の損失との相殺
これから「海外FXと税金」に関する情報を解説するので、このまま読み進めてくださいね。
海外FXで利益を出すと税金は発生する?
海外FXで利益が出ると税金を納める必要があります。
投資の税金は自分の国に納める必要があるため、日本の税務署に確定申告をしなくてはいけません。
そのため海外FXで確定申告が必要になったときは、「2月16日から3月15日まで」に前年度の収入を税務署に申告する必要があります。
「海外ブローカーだからバレないのでは?」と思うかもしれませんが、海外FXの利益を申告しない場合は「脱税行為」になります。
脱税がバレると。「未払い分や無申告分の税金の請求」や最悪ケースで「逮捕」の可能性もあります。
そのため、税金を支払う必要性があるときはきちんと確定申告をしましょう。
海外FXの利益に対して税金を支払う必要があるケース【確定申告の対象者】
海外FXの税金を支払う必要があるケースは「給与所得者」か「非給与所得者」によって詳細が違います。
これから、「給与所得者」「非給与所得者」の2つのケースに分けて解説していきます。
ケース1.給与所得者
サラリーマンのような給与所得者は、海外FXの年間所得が20万円以上になったときに確定申告が必要です。
年間所得であるため利益から損失や経費などを差し引いた金額です。
所得の内訳 | 金額 |
---|---|
海外FXの利益 | 50万円 |
海外FXの損失 | 20万円 |
経費 | 5万円 |
例えば上記の場合、損失の20万円と経費の5万円は利益から差し引けるため「50万円-25万円=25万円」となり、確定申告する金額は25万円となります。
これがもし、損失か経費の金額が大きくなり「50万円-40万円=10万円」となり合計20万円未満になるなら確定申告は必要ありません。
ただし、課税されないのは所得税だけであり、1円でも海外FXの利益があれば住民税は別途申請が必要です。
そのため、居住している市町村に住民税を申告してください。
なお、確定申告したときは住民税も同時に申告したことになるため別途の申告は不要です。
ケース2.非給与所得者
専業トレーダー・自営業・専業主婦などの非給与所得者は、海外FXの年間所得が48万円以上発生すると確定申告が必要です。
所得に関しては先の給与所得者と同じであり、利益から損失や経費を差し引いて48万円以上だったら確定申告が必要です。
非給与所得者の場合、以下のような所得税の基礎控除があります。
所得額 (すべてを含めたトータルの所得) | 基礎控除 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
基礎控除とは所得から差し引けるものであり、たとえば所得額が2,400万円以下だと48万円の控除が受けられます。
そのため、海外FXの所得が48万円未満だと基礎控除の48万円で相殺されて税金が発生しないのです。
ただし、1円でも海外FXの所得があれば住民税は発生するため、申告を忘れないようにしてください。
海外FXで税金がかかるタイミングは「12月31日」
海外FXで税金がかかるタイミングは「12月31日」です。
12月31日にその年の1月1日からの合計利益に対して税金がかかります。
ここで知っておいてほしいのが、含み益のポジションには税金はかからないことです。
含み益のポジションとは、利益にはなっているけどまだ決済してないポジションのことです。
たとえば、米ドル/円の買いポジションを保有していて+8万円の利益が出ていたとします。このポジションは売って決済しない限り税金は発生しません。
逆に決済すると税金の対象です。
よって、年末時点で多くの含み益のあるポジションを保有しているときはあえて決済せずに翌年に持ち越すのも手です。
そうすればそのポジションの税金の支払は来年に持ち越せます。
また、含み損のポジションがあるときも同じように活用できます。
損失は利益から差し引けるため、含み損のポジションがあれば節税対策にできるのです。
仮に100万円の利益が出ているときに30万円の含み損のポジションがあり、それを決済すれば、
100万円-30万円=70万円
となり、決済前は100万円で確定申告しなければいけなかったのが70万円で済むのです。
含み益や含み損のポジションの決済タイミングによって税金の金額が変わるため、年末はそのことを頭に入れながら取引しましょう!
海外FXと国内FXにかかる税金の違いを解説
海外FXは国内FXと税金が異なるため注意しておかないといけません。
そこでここでは海外FXと国内FXの税金の違いを解説していきます。
- 課税方法の違い
- 税率
違い1.課税方法の違い
海外FXと国内FXでは課税方法が違います。
- 海外FX:総合課税
- 国内FX:申告分配課税
海外FXは総合課税が適用されます。
総合課税とは、FX収入以外にも他の所得(給与所得・講演料・不動産収入など)と合計して課税される制度です。
そのため、確定申告するときはFXだけでなく、以下のような収入と合計して申告しないといけません。
給与所得
雑所得(海外FX、仮想通貨、アフィリエイトなど)
不動産所得
事業所得
国内FXは申告分配課税が適用されます。
申告分配課税とは、ほかの所得とは別に課税される制度です。
よって、国内FXは純粋にFXの利益のみを確定申告すればOKです。
違い2.税率
海外FXと国内FXでは税率が違います。
- 海外FX:15~55%
- 国内FX:20.315%
海外FXの税率は「超過累進税率(累進課税制度)」が適用されています。
累進課税制度は以下のように所得が大きくなるほど税率が高くなっていくのが特徴です。
所得額 | 所得税率 | 住民税 | 合計税率 |
---|---|---|---|
195万円以下 | 5% | 10% | 15% |
195万円~330万円以下 | 10% | 10% | 20% |
330万円~695万円以下 | 20% | 10% | 30% |
695万円~900万円以下 | 23% | 10% | 33% |
900万円~1,800万円以下 | 33% | 10% | 43% |
1,800万円~4,000万円以下 | 40% | 10% | 50% |
4,000万円以上 | 45% | 10% | 55% |
ご覧のように所得が上がるほど税率が高くなっているのが分ります。さらに住民税の10%もプラスされるため、最大だと55%になるのです。
それに対して国内FXの税率は20.315%で固定。
所得が変化しても税率が高くならないため、海外FXよりも税金が抑えやすいのが特徴です。
ただし、所得が低い場合であれば海外FXのほうが税率は低くなるため、税金も抑えられます。
たとえば、所得が195〜330万円以下なら海外FXの税率は20.0%なため、国内FXよりも税率が0.315%と低いです。
そのため、次のように税金に差がつきます。
所得額 | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
200万円 | 40万円 | 46万3,000円 |
250万円 | 50万円 | 57万8,000円 |
300万円 | 60万円 | 69万4,000円 |
海外FXの税金を計算する方法を解説
海外FXの税金を計算する方法は、「控除なし」と「控除あり」の2パターンに分れています。
- 控除なしの計算方法
所得額(FX利益×所得税率+FX利益×住民税率)+(所得額×2.1%の復興特別所得税)
- 控除ありの計算方法
所得額((FX利益×所得税率ー控除額)+FX利益×住民税率)+(所得額×2.1%の復興特別所得税)
続いて次の表をご確認ください。
所得額 | 税率 | 税率の区分 | 控除額 |
---|---|---|---|
195万円以下 | 15% | 所得税5%+住民税10% | 0円 |
195万円超~330万以下 | 20% | 所得税10%+住民税10% | 97,500円 |
330万円超~695万以下 | 30% | 所得税20%+住民税10% | 427,500円 |
695万円超~900万以下 | 33% | 所得税23%+住民税10% | 636,000円 |
900万円超~1,800万以下 | 43% | 所得税33%+住民税10% | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万以下 | 50% | 所得税40%+住民税10% | 2,796,000円 |
4,000万超 | 55% | 所得税45%+住民税10% | 4,796,000円 |
所得額100万円のケースの計算方法を確認してみましょう。
所得額100万円だと上記表の195万円以下の税率15%が適用になり、控除額は0円です。よって計算方法は以下のとおり。
(100万円×5%の所得税+100万円×10%の住民税)+(100万円×2.1%の復興特別所得税)=17万1,000円
続いて所得額が500万円のケースを確認してみます。
所得額が500万円だと上記表の330万超〜695万以下の税率30%が適用となり、控除額は42万7,500円です。よって計算方法は以下のとおり。
((500万円×30%の所得税ー42万7,500円の控除額)+500万円×10%の住民税)+(500万円×2.1%の復興特別所得税)=57万2,500円
実際に計算するときは手動でおこなうよりもツールでしたほうが早いためおすすめです。
ツールは「海外FX 税金計算 ツール」とネット検索すればすぐ見つかりますよ。
海外FXの税金を確定申告する際に必要な物と流れを解説
ここでは、海外FXの税金を確定申告する際に必要な物と流れをお伝えしていきます。
確定申告のやり方が分からないというときの参考にしてください。
海外FXの税金を確定申告する際に必要な物
- 確定申告書
- 年間の収入を確認できる書類等
- 本人確認書類
- マイナンバー確認書類
- 源泉徴収書
- 印鑑
上記のような書類が必要になります。
年間の収入を確認できる書類は多くのFX会社の場合、MT4/MT5からダウンロードできます。
MT4/MT5ともに次の手順で年間取引報告書をダウンロードできます。
- 「口座履歴」をクリック
- 期間は開始をその年の「1月1日、終了をその年の「12月31」にする
- レポートの保存をクリック
海外FXの税金を確定申告する際の流れ
- 確定申告書を記入する
- 国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスする
- 申告の種類・生年月日などを入力する
- 収入金額や所得金額を入力する
- 海外FXの利益や経費を入力する
- 所得控除を入力する
- 住民税などを入力する
- 確定申告書を提出する
- 納付方法を選ぶ
STEP1:確定申告書を記入する
最初におこなうのが確定申告書の記入です。
確定申告書の記入方法は以下の4つの方法があります。
- 国税庁の確定申告書作成コーナーからダウンロードして記入する
- 国税庁の確定申告書作成コーナーで作成・記入してe-Taxによる送信・印刷する
- 税務署や市区町村役場の税務課で入手して記入する
- 確定申告に対応した会計ソフトで作成して記入する
おすすめなのは「①」か「②」です。
この2つであれば、自宅で確定申告書の記入を手続きを終えられるため税務署での待ち時間を軽減できます。
とくに「②」は電子証明書やICカードリーダライタ等が必要ですが、ネットのみで確定申告書が完了するため、忙しい人には大変助かります。
STEP2:国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスする
国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスして確定申告書の記入をしましょう。
出典:国税庁
上記の作成開始をクリックします。
今回は確定申告書をダウンロードする場合で解説するため、「印刷して提出」をクリックします。
出典:国税庁
STEP3:申告の種類・生年月日などを入力する
続いて申告の種類・生年月日などを入力します。
今回は令和4年度分の所得の確定申告をするため、「令和4年分の申告書等の作成」の項目をクリックしてください。
出典:国税庁
すると以下の画面が表示されるため、自分にあった申告の種類を選択します。
出典:国税庁
所得が海外FXのみなら「所得税」で白色申告を、海外FX以外に事業所得や不動産所得があって青色申告をしたい人は「決算書・収支内訳書(+所得税)」を選択します。
ちなみに白色申告と青色申告の違いは以下のとおりです。
・白色申告は申請が簡単だが控除の種類や金額が青色より少ない
・青色申告は申請がやや複雑だが控除の種類や金額が白色より多い
今回は海外FXのみの所得を確定申告するため「所得税」をクリックします。
その後、生年月日を入力する項目が表示されるため自分の生年月日を入力しましょう。また、同時に以下のような質問が表示されます。
出典:国税庁
今回のように海外FXのみの所得を申告するケースであれば、「給与以外に申告する収入はありますか?」の質問に対し「はい」を選択してください。それ以外は「いいえ」でOKです。
STEP4:収入金額や所得金額を入力する
続いて、収入金額や所得金額を入力する画面が出てきます。
出典:国税庁
サラリーマンであれば「給与所得」、個人事業主やフリーランスなどの人は「事業所得(営業・農業)」の欄に所得を記入します。
STEP5:海外FXの利益や経費を入力する
収入金額や所得金額の入力が終わったら、海外FXの利益や経費を入力をします。
海外FXの利益は雑所得であるため、雑所得の「業務・その他」の部分にFXの利益やその他の必要経費などを入力してください。
なお、種目は「その他」を選択して「証拠金取引」とします。
STEP6:所得控除を入力する
続いて所得控除の入力画面になるため、忘れずに入力しておきましょう。
所得控除は自分で申請しないと受けられないからです。
扶養控除や社会保険料控除など適用されるものはすべて入力しておきましょう。
STEP7:住民税などを入力する
所得控除の入力が完了しましたら住民税などを入力します。
「住民税・事業税に関する事項」をクリックし、住民税の徴収方法を選択してください。
ここで注意点があり、「給料から天引き」を選択するとお勤め先に住民税のデータが送付されます。
海外FXとまでは分からなくても会社以外の収入があると勤め先に分ってしまうのです。
そのため、会社以外の収入があると知られたくない人は「自分で納付」を選択しておきましょう。
STEP8:確定申告書を提出する
確定申告書の記入が終わったら提出をしましょう。
提出方法は以下の3つがあります。
・税務署を郵送
・税務署の窓口に持参
・e-Tax(電子申請)で提出
e-Taxが利用できるのであれば、一番手軽でスピーディーなためそれで提出してしまうのがおすすめです。
STEP9:納付方法を選ぶ
最後に所得税の納付方法を決めます。
納付方法は次の5つがあるため、自分の納付しやすいものを選びましょう。
・銀行振替
・e-TAXでのネット上での支払い
・クレジットカード
・コンビニでのQRコード決済、
・金融機関または税務署の窓口で現金納付
海外FXの税金対策に関する注意点
海外FXの税金対策にはいくつか注意点があります。
注意点を知っておかないと知らずに脱税をしてしまいペナルティを受ける恐れもあるため、詳細を確認しておいてください。
- 重加算税が課される
- 最悪逮捕もある
- 社会的な信用を失う
納めるべき税金を納めずにそのことが発覚した場合、重加算税が課されます。
重加算税とは、税金逃れをした人に課せられるペナルティの付帯税だと思ってください。
過少申告課税には税額の35%、無申告のときは40%の税率が加算されます。また、もともと収めるべき本税を延滞すると利息として上限14.6%の別途延滞税がかかります。
その他に税金の申告を避けると最悪逮捕もありますし、社会的な信用を失うリスクもあるため良いことは1つもありません。
海外FXの税金の合法的な節税対策と違法な避税の違い
海外FXの税金の節税対策と違法な避税は次のように違います。
海外FXの税金の合法的な節税対策と違法な避税の違い
・節税対策:法律のルールの範囲内で税金が有利になるようにすること
・違法な避税:法律を無視して税金を有利にしようとする犯罪行為
上記の2つをさらに細かく分けると以下のとおりです。
海外FXの税金の合法的な節税対策
・経費の計上
・所得控除制度
・法人口座の開設
・他の雑所得の損失との相殺
海外FXの税金の違法な避税の違い
・所得を少なく申請する(虚偽申告)
・領収書の偽造
・二重帳簿の作成
たとえば、経費の計上によって所得を減らして税金を軽くするのは認められているため、合法的な節税対策です。
しかし、本来の所得より少なく申請して税金を減らすのは違法行為です。また、架空の経費を作って申請するのも同様となります。
節税対策は合法であるためまったく問題ありませんが、違法な避税は非合法であり犯罪行為なため罰則の対象です。下手をすれば逮捕もあり得ます。
海外FXの税金に関する質問Q&A
ここでは海外FXの税金についてよくある質問をまとめています。疑問や悩みの解決に役立ててもらえれば幸いです。
【まとめ】海外FXで発生する税金に関する正しい知識を持ってFX取引をはじめよう!
今回は「海外FXと税金」に関する情報をご紹介しましたが、いかがでしたか?
最後に、「海外FXの税金の合法的な節税対策」「海外FXの税金対策に関する注意点」を振り返ってみましょう。
- 経費の計上
- 所得控除制度
- 法人口座の開設
- 他の雑所得の損失との相殺
- 税金の申告を避けるとペナルティやリスクがある
- 海外FXの税金の合法的な節税対策と違法な避税は違う
海外FXは国内FXと税金面で異なる部分があるため、それを知っておく必要があります。
とくに税率が15〜55%と20.315%の国内FXより幅広く、所得によっては大幅に税金が高くなってしまう部分には要注意です。
まずはどのようなケースだと税金の支払が必要になるのかを知った上で、海外FXと国内FXの税金の違いを把握し、確定申告の方法や節税対策を確認しておきましょう。
そうすれば税金面で失敗することなく海外FXをはじめられます。